Noura Mint Seymali / Arbina (Glitterbeat 2016)

ARBINA NOURA MINT SEYMALI西アフリカ一帯に広がるgriot文化。

かつて文字を持たない時代から、griotは人間図書館として機能するよう口承文化を育みながら、歴史家、音楽家、司祭など様々な役割を負ってきた。

近代化の流れの中その役目も変わってきたが、griotは今でも多くの人々からリスペクトを受ける存在だ。

SeneɡalのYoussou N’Dour、MaliのSalif Keitaはじめ音楽家として活躍するケースもあり、このNoura Mint Seymaliもその系譜にいる。

彼女の祖国であるMauritaniaはMorocco/Western Sahara、Mali、Seneɡal、そしてAtlantic Oceanに囲まれ、国土の7割が砂漠のため輸出の殆どが鉱業や水産業が占める。

ちなみに私の通うスーパーのタコの刺身も実はMauritania産。

彼女は義母のバックボーカルとして13歳からキャリアをスタートし、祖母や両親から歌唱だけでなく楽器演奏や作曲技法も学んだ。

地元Nouakchott録音のローカルリリースを幾つか重ねながら、リズムセクションを配置するなどバンド形態を強化、2014年に初のインターナショナル版はWorld Music Charts Europeで1位、 All Africa Music Awardsで北アフリカ最優秀女性アーティストを受賞するなど話題をさらった。

この Arbinaはインターナショナル版の第二作としてNYCで録音、2016年にリリースされた。

西アフリカで独自の進化を遂げるDesert blues的意匠を、夫Jeich Ould Chighalyによるpsychedelia満載の音像がコーティングしたユニークな音楽性を構築、そのサウンドはMoorish psychedelic rock、Saharan funk、future popなど様々だ。

このアルバムでもそうした既視感の無さは健在で、特に夫Jeich Ould Chighalyのeffectiveなギターサウンドの尋常無さは特筆もの。

前作に引き続きWorld Music Charts Europeで1位、Transglobal World Music Chartでも1位を獲得、数多くのメディアで2016年のベスト作品にノミネートされるなど、世界各地での評価も高い。

Damon AlbarnのAfrica ExpressやTinariwenとの共演、積極的なヨーロッパ、北米、中東、そして日本も加えたワールドツアーで更に裾野を広げつつあり、今後も楽しみだ。

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