Electrolux by Toshibaの洗濯乾燥機を使い始めて15年になる。
EWD-D80Aという機種で、欧米で一般的なビルドインサイズのドラム式洗濯乾燥機だ。
ステンレスで纏めたキッチンに合うよう色はシルバーで、天板の高さにぴったりと収まる高さ85cm。
リコール含め何度か修理したこともあるし、買い換えを考えたこともあるが、日本の家電メーカーはこのサイズを全くサポートしておらず、海外製で選ぶしかない。一方日本で買える海外製の機種は少なく白い配色のものばかり。以前にMieleのシルバーモデルを見つけたこともあったが洗濯機だけの単機能で、私の求めるものは皆無の状態なのだ。
そんな中で水漏れトラブルが始まった。
最初の頃はマシンの下から床の目に見える場所に流れ出てくる水量は僅かで、漏れが目視できないケースもあったため気にせずに使い続けていた。そうこうしているうちに漏れる水量も増え、ほぼ100%の確率で目視できる迄の状態に悪化。
影響を確認しようとコンセント、アース、給水ホース、排水ホースを外してマシンを動かすと、広範囲で床がびっしょりと濡れている。
しばらくの間は洗濯してはマシンを動かし漏れた床を拭いていたのだが、どうして手間を減らすために使ってきた洗濯乾燥機の故障に費やす時間がこんなに多いのだろうと、我慢の限界を超えて東芝のコールセンターに電話した。
15年前の機種で部品欠品の可能性もあり修理できる保証はないが、出張費2500円と点検費1000円は発生するとのこと。保証は無いと言っても、修理できる可能性も少しは残されているかもという期待感もあり出張を依頼することにした。作業当日、技術員にマシン裏のカバーを外して点検してもらうと、乾燥の際に注入する冷却水が漏れているのではないか、長く使っていると乾燥時の熱でタンクが変形して隙間ができ、そこから漏れるケースがあるとのことだった。そういえば洗濯している時間には漏れず、乾燥終了まで残り1時間位のタイミングで床が濡れているなと合点がいく。
原因を推定できる状況になったので修理をお願いしたいと伝えると、部品がないので無理との即答。15年前の製品だし、直したくても部品の問題で無い袖は振れないという雰囲気で、食い下がっても無理だろうと考え、税込3850円を支払い技術員を見送る。
その後自身で内部の給水チューブとタンク、タンクと排水チューブの接合箇所で水漏れの可能性があると仮説をたて、ダクトテープでしっかり塞いで洗濯乾燥を実行。水漏れの量はだいぶ減ったのだが、床が濡れる状況は根治できなかった。水漏れ箇所を改めて点検しようとしても乾燥の過程で内部に漏れている水も蒸発してしまっているのだが、カバーを外した際に本体とカバーの接合面の左下の隙間にだけ水が染み込んでいる場所があった。
どう伝ってここまで水がきているのか逆を辿ると、カバーの内側に薄いカルキ汚れを発見、その汚れの範囲から逆算してネジで止めてある冷却タンクの溝から滴っていると特定するに至る。8つネジ穴があるが6つしか使われておらず、これも影響しているのだろうか。
そのネジを外すと中に埃がぎっしり張り付いている。給水チューブとタンク、タンクと排水チューブの接合箇所に埃が溜まり、水が給排水しにくくなり、冷却機能が落ち、熱でタンクのパーツが少し歪み、その歪みの隙間から水が漏れ出る、そんなメカニズムではないだろうか。箸を使ったり、手を入れたりして中のホコリを取り出すのにかなり手間取ったが無事清掃を完了。この埃の量はどうだ。なぜか2本欠けていたネジもカバーに使われていたものから流用し、8箇所全てを締めた。また写真には撮っていないが、ドラム内部の糸くずフィルタも15年全く掃除していなかったことが判明、こちらにもビッチリと粘度のあるホコリの塊がへばり付いていた。こちらも綺麗に清掃。
この状態で裏のカバーを締め直しコンセント、アース、給水ホース、排水ホースを再接合。洗濯乾燥を通しで実行し水が漏れ解消を確認できた。
何とも言えない達成感と安心で満たされる瞬間。
東芝の技術員に無理と言われたが、自分の手で何とか対応出来た。水の流れ方や埃の溜まる場所も理解したので、今後は定期的にセルフメンテンスしていくことになるだろう。
日本の家電メーカーがビルドインサイズのドラム式洗濯乾燥機の利用者を無視し続ける状況下では、長く使ってきたこのElectrolux by Toshibaを大事に使っていくしかない。