Video Artは、Nam June Paikが1960年代に生み出したアートフォーム。
香港と台湾では共鳴するように1980年代初頭に胎動したが、映画やドキュメンタリーに比べれば陽の目を浴びない存在でしかなかった。
そんな香港と台湾のVideo Art作品を、台湾での戒厳令解除から30年余、香港返還20年余経た今、改めて検証しようという企画が台北當代藝術館で催されていた。
Video Artは時に政治的なissueを扱い一見無関係なイメージや音、テキストをモンタージュ、カットアップする。
香港と台湾の場合、自ずと中国との関係がクローズアップされることになるが、作品群の中には70年代のGodardの影響を感じさせるものもあり興味深かった。また、作品群の中には時代を経て、緊張感が高まる現在の中国との関係の中で新たな解釈を産むものもあるだろう。
逆にこうしたメッセージ性のある作品が現在の香港と台湾で生まれる可能性についても、緊張感が高まる現在の中国との関係の中で脳裏を過ぎった。