パキスタン伝統音楽とJazzの融合 「Song of Lahore」

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大きな歴史の流れの中では独自文化を形成し発展を遂げたパキスタンだが、第二次世界大戦以降の変化は凄まじい。

イギリス支配からの独立、カシミールを巡るインドとの紛争、アフガン紛争以来のアメリカとの関係、国家のイスラム化、パキスタン自身が生み出したタリバンとの関係のねじれ…様々なしがらみに翻弄されてきた。

インドとともにイギリス支配にあった中ではインドのBollywoodと同じく、Lollywoodのペットネームで映画産業都市として名を馳せたラホール。

そのラホールも現代の争いの歴史に翻弄され、映画産業が衰退し、イスラム化やタリバンの影響力のもとで音楽が禁じられ、多くの音楽家達が職を失った。

そんな中、実業家のイッザト・マジード(Izzat Majeed)は強烈なリーダーシップを発揮し、職を無くした音楽家達を集め、私財を投じてスタジオを建設し、伝統楽器とJazzの融合をコンセプトにYoutubeを使い世界に向けて活動を発信する。

無名の伝統音楽家達は一躍世界中で話題となり、影響力を持つNYのジャズマンに共演の招待を受けるまでに至る。

この映画は、一気にサクセスストーリーを駆け上がったパキスタンの伝統音楽家達がNYに渡り、厳しいリハーサルを経て、本番ステージに立ち喝采を得るまでの姿を追ったドキュメンタリーだ。

実業家イッザト・マジードの強烈なリーダーシップ、ウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis)のプロフェッショナリズム、そして伝統音楽家達の演奏など、見所多数。

特に、リハーサルの冴えない様子を脱することができないまま迎えるThe Jazz At Lincoln Centerでの本番のシーン、初めはどうなることかとソワソワするが、次第に演奏に熱がこもる様子に引き込まれる。

特にバーンスリー担当のバーキル・アッバース(Baqar Abbas)、タブラ担当のバッルー・ハーン(Ballu Khan)の演奏が素晴らしい。

観客との対峙でスイッチの入った演奏家の真剣な顔つき、スリリングなライブパフォーマンスを堪能できる。

Robert De NiroらがファウンダーのTribeca Film Festivalに2015年に出展された。

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