創業1905年の老舗、スーパーナニワヤ。
乾物屋としてスタートした後、地元に根差したスーパーマーケットとして麻布十番で長く営業を続けている。
電車の駅からは少し距離があるロケーション、二の橋から仙台坂へ向かう途中にある店に足を運ぶのはまさに地元の人々で、チェーン展開していない(1店舗のみ)こともあり、知っている人自体かなり限られるだろう。
仕事で近所まで来ると時々寄るのだが、こだわりの商品セレクトは何時来ても楽しめる。
また、大型スーパーであれば工場でパッキングした商品が店頭に並ぶケースが殆どだと思うが、例えば漬物や白滝のような商品は、冷蔵ケースに非パッキングあるいは最低限のラップを被せただけの状態で並べられていて、こうしたスタイルは今の時代には逆に新鮮に映る。
夕方に混み合っているのは惣菜コーナー。全て自家製で牛ロースすき焼き、ビーフストロガノフ、鶏団子スープをはじめとした惣菜やおにぎりが所狭しと並ぶ。
商品に貼り付けてある値札ラベルには、「大田作」「石原作」といった記載があるのだが、これは作った人の名前だろうか?
そして、手書きのポップには店長ではなく「会長おすすめ!」と書いてある。
大型スーパーではまず見ないというか考えつかない、考えついても不可能な方式だろう。
そしてこのスーパーの最大の売りは、ローストビーフ。かなりの個数が店頭に並ぶが、仕事帰りに寄ると残り数個となっていた。
肉の周りにはロースト時に刷り込まれた塩胡椒がついているが、食べる際には別売りのソースを使うのがオススメだ。2種類売っているが、「Product of U-SIDE」とパッケージにプリントされているソースの方が旨い。一つ数十円レベルで売っている。
こだわりの品質の肉だけあり、口当たりは柔らかでジューシー。長い間地元で愛され続けている理由も納得の看板メニューで、幾らでも食べられそうだ。
住所:東京都港区麻布十番3-9−5