マカオには幾つか市場があり、南西の下環街市等にも足を運んだが、活気と規模でこの紅街市に勝る場所はないだろう。
1936年に建築されたマカオ最古の市場は、最近外装工事がされたらしく、鮮明な赤い壁が印象的だ。
地図で見ると半島側の北側にあるので交通手段を使いたくなるが、歩いても30分程度のため、町の様子を眺めながら向かうことに。
マカオは香港同様、中国本土と違ってGoogleが普通に使え地図アプリの位置情報も正確なので、道は入り組んでいるが問題なく辿り着けた。
1Fは野菜と乾物、2Fは鮮魚、3F精肉を扱っているが、マカオには農業、漁業、畜産といった第一次産業は殆ど無いので、商品はborder gateを超えた向こう側、中国本土からの輸入に頼っているようだ。
まず1Fからチェックを開始、野菜はコリアンダーが一把5MOP、約70円なのでかなり安く感じる。
日本であまり観ないような野菜もあってじっくり眺めていたのだが、野菜の印象が吹き飛ぶガチョウや鶏の丸干しが視界に入った。原型を留めたままのインパクト抜群のヴィジュアル。
セミドライ状でこのまま食べるのだろうか、火を入れて食べるのだろうか。
どんな食感なのかも気になるところだ。
できるものなら買って帰りたかったが、一人で食べきれる量ではなかったので諦める。
2Fの鮮魚コーナーでは、魚に手で触れようとするおじさんがおばさんに怒られている。大きなステンレスのトレーに生きたまま乗せられた魚、海老、貝。生きたままボックスに入れられている蟹。所狭しと並べられている海産物の中でも、海老の色の美しさに見入った。束ねられたマテ貝は少々グロテスクかな。宿泊場所に調理設備があれば買って帰りたいものばかりで、どの店のディスプレイも見ていて飽きることがなかった。
3Fの精肉フロアは赤をテーマカラーにした内装と、赤々とした肉の塊が、なんとも不思議な視界を形成する面白さがあった。
皮を剥いだ肉の表面を丁寧に処理していく人、肉の塊を骨切りナタで大きな音とともに切り刻む人、肉をフックにさして店頭のつるし棒に吊る人、どれも普段見ることのない光景ばかり。
建物の外ではフルーツを売る露店が並び、道の向こう側の小道を入れば、食材や惣菜、その他様々な店が軒を連ねるマカオ版アメ横のようなエリアが縦横に広がる。食べ歩きや料理が好きなら、ゆっくりと見て回りたくなる場所だろう。
住所:125 Av. do Alm. Lacerda (罅些喇提督大馬路), Macau