ペルーは海、山、川と自然に恵まれ、ジャガイモ、トマト、唐辛子など様々な食材の原産地として有名だ。
インカ帝国以前から高度な文明を持つこの地は、16世紀の植民地時代以降に移民流入で文化のremixが加速度的に進み、調理法やレシピなどは外部から多くが持たらされたが、調理材料は古くからこの地で食べ続けられてきた食材が中心であり続けた。
そんな歴史を経て育まれたペルー料理は、古いものと新しいものの融合自体がDNAとしてあり、21世紀に入った現在はGaston Acurioら新世代の料理人によってフレンチや和食との今日的remixが脚光を浴び、modern peruvian cuisineとして存在感を示している。
近年、東京にもペルー料理店が増えてきたが、素材の持ち味が引き出された美味しさに感じ入ることが多い。
香りも味も優しく、食べていてほっとする感じなのだ。
今回作ったAji de Gallinaもそんな雰囲気を感じられる伝統的家庭料理。
元々は裕福な人が食べた鶏の骨に残った肉を削ぎ落として具材にし、パンでソースにとろみをつけ、伝統的香辛料のAji amarilloで味を整えたものだそうだが、そのベースはスペインのManjar blancoという料理で、更にManjar blancoはかつてイスラム教の布教拡大と共にスペインを統治したMuslimから影響を受けているそうだ。
そう考えると、料理というのは元を辿れば、大半のものが自文化と外来文化の融合によって紡がれ、繋がり、変化し続けるものと言えるのかもしれない。
私のレシピもAji amarilloを使っていないし、細かいところは我流だが、食べてほっとした気分を誘う素朴な一皿になっている。
Ingredients(2 Servings)
- 鶏胸肉:200g
- 白湯スープの素(粉末):小さじ1
- アーモンドミルク:200cc
- オリーブ:適量
- 鶉卵の水煮:適量
- 青唐辛子のピクルス:1本
- パルミジャーノレッジャーノ:大さじ1
- クラッカー:10枚
- 玉ねぎ:1/2個
- 酒:大さじ3
- 水:大さじ3
- MCTオイル:大さじ1
- 塩:少々
Directions
- 鶏胸肉全体をフォークの先で穴を開け、白湯スープの素、酒を混ぜた漬汁と一緒にziplockに入れて揉み込み、15分寝かせる
- 青唐辛子のピクルスの種を取り除きみじん切り、玉ねぎみじん切りにする
- ziplock鶏肉を取り出し、漬汁と水と一緒に鍋に入れ中火にかけ、沸騰したら蓋をして弱火で8分煮込む
- 火を落として鶏肉を取り出し粗熱をとり、ある程度冷めたら繊維にそって肉を細かく裂く
- 鍋に残った煮汁にクラッカーを入れ、汁を吸わせる
- 鍋にMCTオイル馴らし、みじん切りにした青唐辛子のピクルス、玉ねぎを炒める
- 玉ねぎが透けてきたらアーモンドミルク、鶏肉汁を吸わせたクラッカーを入れなじませながら温める
- パルミジャーノを削り、塩を味を整えて火を落とす
- 皿に盛り、オリーブ、鶉卵の水煮をトッピングする