オクラの原産はアフリカで、エジプトでは2000年前から栽培がされているという。
奴隷貿易によってガーナからアメリカ南部に渡り発展したクレオール料理と共に、言葉も少しずつ変化しオクラを意味する単語はgumboと発音するようになる。
また、gumbo soupはオクラだけでなく沢山の野菜や肉を入れて煮込むことから、gumboは様々な要素が混じりあった状態を指すようにもなり、食だけでなく広くミクスチャー文化を表現するような言葉にも転じていった。
沖縄で様々な具材を使った料理をチャンプルーといい、そこからチャンプルー文化という言葉が生まれたのと似ているではないか。
料理としては様々なものを煮込むのでレシピの自由度が高そうが、通常はオクラを入れる、小麦粉を炒めてブラウンソースを作る、香辛料で辛くするといったあたりが押さえるポイントのようだ。
私の場合オクラは好きだが、小麦粉の摂取はなるべく控えるようにしているし、家族が辛い食べ物が苦手なので、多少アレンジして作ってみることにした。
調べてみると、gumbo z’herbesという茶色ではなく緑色のガンボスープもあるらしい。茶色ではないので小麦粉やチリパウダーは使わないようだ。gumbo z’herbesはキリスト教の風習である四旬節の風物詩らしく、好きな緑色野菜やハーブを多めに使うらしい。
ちなみに今回の新型コロナでよく目にするようになった「quarantine」という英語はラテン語の「40」が語源だが、四旬節のラテン語の語源は「quadragesima」で「40番目」を意味し、復活祭を迎えるまでの日数を表している。その元は40時間の断食から来ており、古来からキリスト教社会で「40」という数字は特別な意味を持っているのだろう。
実際に作ってみると、かなり具沢山の栄養満点のスープ、というよりも汁と具材のバランスからすると煮物に近い印象だ。旨味が溶け合った満足度の高い一品に仕上がった。
Ingredients(2-3 Servings)
- 水:600cc
- オリーブオイル:大さじ2
- 鶏せせり:200g
- セロリ:1本
- ピーマン:5個
- 玉ねぎ:1個
- ウインナー:5本
- グリーンプチトマト:10個
- オクラ:10本
- レタス:2枚
- インゲン豆(水煮):200g
- ニンニク(チューブ):1cm
- 酒:大さじ2
- コリアンダーパウダー:小さじ2
- クミンパウダー:小さじ2
- カレーリーフパウダー:大さじ1
- 茅乃舎野菜スープの素:1袋
- イタリアンパセリ:適量
- 胡椒:適量
Directions
- せせりは小間切れ、グリーントマトは蔕をとって二等分、ピーマンとレタスは1cm角切り、セロリは茎と派に分け茎は薄切り・葉は1cm角切り、玉ねぎは薄切り、ウインナーは輪切り、オクラは蔕を取って輪切りにする
- 鍋に油を馴らし、にんにくを加え香りが出てきたら、せせりを炒める
- 肉の表面に火が通ったら、ピーマン、セロリ茎、玉ねぎを加え炒める
- クミンパウダー、コリアンダーパウダーを加え、鍋に蓋をして10分煮る
- 鍋の中の野菜に火が通ったら水、インゲン豆、セロリの葉、グリーンプチトマト、ウインナー、野菜スープの素を加え10分煮る
- 更にオクラ、レタス、カレーリーフパウダーを加え10分煮る
- 器に盛り、イタリアンパセリを散らし、胡椒をひく