2018年現在、アジア圏でのUberの存在感は下降を辿っている。
Uberは数年に亘りGrabと鎬を削ってきたわけだが、2018年3月にGrabが展開する東南アジア8カ国で全事業をGrabに売却(Grabの株式27.5%を取得)の上、exitすると発表した。
東南アジア8カ国というのは、Asean10カ国からBruneiとLaosを除いた全て、 Cambodia 、Indonesia 、Malaysia 、Myanmar 、Philippines 、Singapore 、Thailand 、Vietnamを指す。
この後も、Singapore等の数カ国ではGrabに対して一社独占状態の嫌疑で調査が入ったり、他の業者が新たに参入したりと新しい話題に事欠かない。
Grabも安泰というわけではなく、業界の覇権争いはまだまだ続くのだろう。
一方、東アジアの台湾ではUberは現地タクシー業界との共存の探りながら事業を継続している。
かつて当局から業務停止命令や指導を受け復活は困難との見方もあった中で再開に至ったが、現地のタクシー業界も連合を組みTaxi GoというUber的なアプリをlaunch、年明けからは中国ライドシェア最大手のDiDiが台湾進出を果たすなど、この地でも競争は激化している。
私がライドシェアサービスで重要だと思うことは、目的地を正確に(ビジュアルに)指定できること、乗車料金を事前に把握できること、キャッシュレスであることの三点。
要はぼったくられずに目的地に間違いなく到着できれば合格なのだが、世界各国どこでも同じUXで使えるUberには慣れているし楽なので、結局Uberを使ってしまう。
この台湾旅行でも何度もUberを利用したが、単なるライドシェアアプリではなく、場所と言語を超えたコミュニケーションツールとしての利便性を改めて感じた。
ちなみに現地タクシー業界を保全する観点から業務停止以前に比べて価格は高くなったそうだが、個人的には、バスや電車の乗り継ぎと天秤にかければ決して高いとは感じない水準だった。
ただし、予てから物議を醸しているUberのSurge Pricing(需給バランスで料金が変動するアルゴリズム)は台湾でも適用されており、平日の日中と日曜の日中ではほぼ同じ距離で料金が倍違った。
Taxi GoやDIDIでSurge Pricingのような仕組みが適用されていないのであれば、土曜の夜や日曜などは状況によってアプリを使い分けても良いのかもしれない。
最後に、どの国でも若いドライバー、年配のドライバー、気さくなドライバー、高飛車な雰囲気のドライバー、渋滞にハマると不機嫌になるドライバー、色々いるのだが、台湾のドライバーは概して感じの良い穏やかな人が多かったかな。