聴けば聴くほど深みと美しさを感じさせる名盤。
TBAはNikakoiと共に、同郷のトビリシでアーティスト集団Collective Goslabに所属し、2002年の彼のシングル「City Lights」でシンガーデビューした女性ラップトップミュージシャン。
TBAの他にNatalie Beridze, Tusia Beridzeなど様々な名義で音楽制作する中、「Georgia Is Like Spiritual Tokyo」というアルバムをリリースしたり、坂本龍一とも共演したり日本との縁も感じさせる。
この作品は2007年にテクノの名門、ベルリンのMax Ernstレーベルからリリースされた5枚目のアルバムで、美しいコード感をを持つ曲が数多く収録されている。例えば、前出の坂本龍一で言えば「Thatness and Thereness」や「Parolibre」といった曲から受けるリリカルな印象に近い。
彼女自身のヴォーカルも素晴らしく、テクノミュージシャンというよりもSSWと呼んだほうが良いのかもしれない。
2016年の冬にトビリシを旅行した時、ちょっと雪が舞う氷点下のクラ川沿いを散歩しながら聴いた「X. It Snow」はとても幻想的だった。
My Bloody Valentineのギターノイズが濾過され、教会で静かに鳴る神聖な賛美歌の如き音響。
改めてこのアルバムの美しさが心に沁みた瞬間だった。