‘Bar Buenos Aires’ meets 曽我部恵一 〜 Lucid Fall / Oh, Love ( 오, 사랑) (Antenna Music 2005)

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アルゼンチンの音楽家 Carlos Aguirreに捧げた「Bar Buenos Aires」という名盤コンピレーションがあったが、あのアルバムが志向したであろう音像風景を見事に一人でやってのけている、というのが韓国人SSWのLucid Fallに抱いた第一印象。

透明感やチルアウトした空気感はCarlos AguirreとQuique Sinesiがセッションをしているようであり、楽曲のメロウ感と独特の声質はまるで曽我部恵一だ。

Lucid Fallはチョ・ユンソク(Jo Yun-suk)のソロプロジェクト。

名門のソウル大学を卒業し、SSWのキャリアを歩み始めた後もスイスのローザンヌ連邦工科大学大学院に留学し博士号を取得する知性派であると共に、ブラジルの音楽家Chico Buarqueの著書「Budapeste」を韓国語に訳したり、ブラジル音楽に造詣が深いことで韓国のFMラジオでワールドミュージックの番組のDJを務めたこともある位、ブラジル音楽フリークらしい。

「Oh, Love ( 오, 사랑) 」はLucid Fallの2ndアルバムで、現在まで7枚のアルバムを発表しているが、作曲も演奏もスタイルが確立されており、どのアルバムにも通底して透明感、チルアウト感、メロウ感が溢れている。

曽我部恵一と聴き間違えそうな程のdéjà-vu感が降り注ぐ瞬間が何度も訪れる。

サニーデイ・サービスのファンなら、一度聴いてみると良いだろう。

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