ナムジュン・パイク展、没後10年、2020年笑っているのは誰? @ ワタリウム美術館 青山

彼と関係の深いワタリウム美術館で没後10年の記念展。

活動時期を80年代までと90年代以降で区切って前半後半にわけて開催していて、後半の会を鑑賞してきた。

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全体通して見ると、冷戦終結後にヨーロッパからアジアまでをEurasiaとして、従前の世界観をリビルドする試みが興味深かった。

その一つ、ビデオ作品「ユーラシアへのみち」。

ドイツ女性映像作家ウリルケ・オッティンガーから購入した「モンゴルのジャンヌダルク」と、自身が地元の韓国で開催したシャーマンによるヨーゼフ・ボイス追悼儀式の映像を加えた作品。強烈な印象を残す作品で、今でも時々脳裏に映像が蘇る。

もう一つは、「ユーラシアの7つのロボット」。

アレキサンダー大王、スキタイ王としての壇君、フン族の王アッティラ、チンギス・カンのリハビリテーション、マルコポーロ、エカチェリーナ二世、ヨーゼフ・ボイスの命を救ったタタール人をロボットとして製作。

一つ一つのロボットに込められた物語と歴史解釈がとてもユニークだった。

そして、日本とも所縁の深いナムジュン・パイク。

永平寺のビデオ作品、原宿ピテカントロプス・エレクトスでのライブ(ナムジュン・パイク、坂本龍一、高橋悠治、細野晴臣、立花ハジメなど)、Trans Pacific Duet(坂本龍一の「ちんさぐの花」のライブとMerce Cunninghamのダンスのミックス映像)など面白い映像が多く見入ってしまった。

Trans Pacific Duetは、坂本龍一自身の’opera LIFE’のパフォーマンスのベースになっているのかな。

他にも二人の関係が感じられるものがあちこちに展示されていて、新しい発見が多かった。

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ワタリウム美術館
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
URL:http://www.watarium.co.jp
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