機上から見下ろすNevada州は砂漠と赤茶の岩が剥き出しになった無垢な大自然そのもの。
一方、降機し空港に足を踏み入れた途端、Las Vegasは遊ぶことだけを目的に造られた極めて人工的な場所だと自覚する。空港内の至るところにルーレットをはじめ様々なゲーム機が設置され、割と無機質な空間の多いbagagge claimもギャンブルテイストに染められ、天は地に煌びやかに反射し、荷物を待つ人達は時間潰しにゲーム興じている。
ホテルも同様で、移動する際の動線が必ずカジノを横切るよう設計されており、dealerと客が駆け引きする様子は朝から晩までお約束の光景。私が宿泊したThe VenetianはIRの原型と言われるホテルで、孫正義にITの見本市「COMDEX」を売却したSheldon Adelsonがそれを原資にSands Hotel and Casinoを買収、The Venetianとして1999年に開業した。
Sheldon Adelsonは数多くの施設を手がけるLas Vegas Sands社の会長兼CEOで、SingaporeのMarina Bay Sandsは知っている人も多いだろう。
The Venetianは4000室を超える規模感ながら全室スイート、隣接するSands Expo and Convention Centerが国際的かつ大規模なカンファレンスや会議で利用される場所のため、ビジネスパーソンも数多く宿泊している。
夏場には最高気温40度、最低気温でも30度を超えるため、仕事を終えたビジネスパーソンは外に出るよりも、そのままホテルのレストランやカジノの流れていくエコシステムらしい。
外の空気を吸いにStripへ一歩足を踏み出せば、その先に伝説のホテルThe Mirageが目に入る。2018年6月現在、Cirque du SoleilによるThe Beatles「LOVE」が上演されているようで、ホテルの壁やビルボードに大きく掲げられている。
The Venetian、The Mirageのみならずあちこちのホテルで連日連夜ショーが開催されており、この街が眠ることはない。なんと滞在する人々の平均睡眠時間は3-4時間程度とのことだ。