金沢にはアナログのレコ屋が多い。
近江町市場のRecord Jungleでは、その昔Larry Harlowがプロデュースした女性グループ Latin Feverのアルバムを買ったことがあるが、他にも鱗町のEstacio Records、竪町のExile Records、柿木畠のビーチパーティー、有松のEveryday Recordsなど、あちらこちらに点在している。
和物Freesoul系、ブラジルのCarmoレーベル系、Clare FischerのMPS Records時代のものなどにアンテナを張るものの、人生と同じで一期一会の面白い出会いを探し店を回る。
近江町市場と金沢21世紀美術館を回るコースが作れれば、殆どの店を1日で訪問できるだろう。
Everyday Recordsはやや離れた場所にあるのでバスを使うのが良いのではないか。
いざ探し始めて見ると中々ピンとくるものが無く、一期一会の出会いは夕方まで待つことに。
夕食の直前に訪問した鱗町のEstacio Recordsで、面白い2枚のレコードに対面できた。
1枚目は、SwissのRoberto Avila & Cachoeiras「Come To Brazil」(1988 / Plainisphare)。
ブラジル人抜きでブラジリアンテイストのアルバムを製作するバンドは世界中あちこちにいるが、Swissというのは珍しい。
日本のシティポップのようにキャッチーなもの、サウダージ感溢れるギター曲、野性的なサンバ、疾走感のあるボッサ、ダビーなレゲエなど賑やかな構成だが、不思議と統一感があり、非常に聴きやすい。
これは当たりだった。
2枚目は、Icelandのキーボード奏者のPorir Baldursson「Leikur Vinsael Islenzk Log」(1970 / SG-Hljómplötur)。
アイスランドのケプラヴィーク(Keflavík)出身のPorir Baldurssonは作曲やプロデュースも手がけ、北欧や中央ヨーロッパで活躍し、後にGiorgio MoroderやDonna Summerとも仕事をした。
名前の一文字目はアイスランド文字でアルファベットのPに似たÞが正しい表記らしいが、欧米圏では表記が難しくThor, Thorir, Porirなどの代替表記となっていることが多いらしい。
このアルバムは1970年のソロアルバムでモンド系、モッズ系オルガンジャズ。
Sypra1〜8と連番が振られた8曲には、各々曲のテーマか何かのキーワードが2つ3つ合わせて表記されている。
アイスランド語なのでパッとわからないが。
A面1曲目、B面1曲目が疾走感のあるトラックでDJでも使えそうだ。
お店の方の接客も気持ちよく、購入後は清々しい気持ちで店を出た。