足利義政が自分自身のために作ったプライベーススペース、銀閣寺。
日本史上最も風流と言われた権力者の一人が、自身の感性にフィットするよう作った別荘だ。
暗い夜に微かな明かりとなる「月」に想いを託した全体設計。
権力がなければできない規模の建築だが、心は権力者のコンピテンシーから最も遠いところに在る。
こうした矛盾が現代人にも共感を生むのかもしれない。
個人的には、枯山水の庭園で表現されている「銀沙灘」と「向月台」のサイケ感、テクノ感が何とも言えない。
久々の訪問だったが、相変わらず素晴らしい苔と、紅葉をつけた木々とのコントラストが美しかった。