早熟の天才と言われ、19歳で颯爽とデビューしたプリンス。
プリンスが息をかけたパーカッショニストSheila E.もまた早熟の天才で、15歳でプロデビューを果たしている。
Sheila E.は、西海岸のラテンミュージックの名門Escovedo家に生まれ、5歳からパーカッションを叩き始めた。
2人はPrinceが西海岸で1stアルバムを録音している時期に出会って以来古い付き合いだ。
その頃、彼女も父Peteと共にアルバムを録音しており、2ndの’Happy Together’は名盤である。
ユニークな解釈によるMilton Nascimentoのカバー「Travessia」や、Freesoul感満載の「Bolinas」。
SheilaのPercussion、Drums、Vocalスタイルのどれも初々しいが洗練された雰囲気がある。
The RevolutionのWendyやLisaも、西海岸の音楽一家出身だ。
二人の父親は共に’The Wrecking Crew’に在籍し、Frank Sinatra, John Lennon, The Jackson 5, Natalie Cole, and The Beach Boysなどと共演した経験を持つ。
西海岸の大物アレンジャー兼コンポーザーClare FischerがPrinceのアレンジを引き受けるようになったのは、彼女たちの父親のコネクションが効いたからとも言われている。
Prince自身、Paisley Park Studioでレコーディングしない時は、ロスの名門Sunset Sound Recordersを第二のホームグラウンドとして使っていたし、Sunset Sound Recordersの録音機材と同じものをPaisley Park Studioにも導入する程だった。
また、Princeが敬愛するSantanaも西海岸出身だ。
Princeにとって西海岸の雰囲気やラテンフィーリングは、特別な意味を持っていたのかもしれない。
Prince & The Revolutionの1986年の未発表曲に「In A Large Room With No Light」という曲がある。
個人的にはこのバンドの最高傑作のひとつだと思っているが、西海岸とラテンジャズへの憧憬を感じさせる奇跡の一曲。
Sheila E.にPrince楽曲の管財人になってもらい、是非オフィシャルでリリースしてほしい。