ノイズと静けさ。
伝統的ブラジル音楽の文脈と前衛的音楽観。
哲学者の顔つきでエロティックな歌詞。
坂本龍一のGutレーベルからリリースしたMundoCivilizadoに収められたPrinceのカバー曲は、上述したような正反対の要素が重層的に同居する美しさを放つ。
Princeの過剰でエフェクティブな音像と、Artoのクールでオーガニックなそれは真逆のベクトルを向くが、どちらも自己完結的な妄想家のような雰囲気に相通じるものがある。
TimbaladaやBernie Worrellが参加しながらも抑制された隙間の多いアレンジが印象的だ。