ういろう本店 @ 小田原

製薬技術に長けた中国の公家一族が、室町時代に日本に渡って外郎(ういろう)家となり、500年以上小田原で薬と菓子を作り続けている。

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麝香(ジャコウ)、薬用人参、龍脳(リュウノウ)、天草をはじめ生薬十数種類が配合される門外不出の薬は、小田原城と海岸線の間、国道一号沿いの本店でのみ購入できる。

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この時代にオンラインを一切使わない商法も珍しいが、これを買い求める人が全国からここに集うという。

箱や説明書を見ると、純正生薬製剤、家伝霊薬、透頂香、ういろうなどと書いてある。

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効能は以下の通り万能薬と言われている。

胸腹痛きょうふくつう、渋腹しぶりばら、胃痛いのいたみ、食中毒しょくちゅうどく、霍乱かくらん、胃痙攣いけいれん、消化不良しょうかふりょう、下痢げり、吐瀉はきくだし、水中みずあたり、癪痞しゃくひ、溜飲りゅういん、悪心嘔吐むかつきはきけ、食欲不振しょくよくふしん、急性慢性胃腸炎、諸毒消しょどくけし、便秘べんぴ、蟲積症ちゅうせきしょう、肝臓、悪阻つわり、酒の悪酔、宿酔ふつかよい、舟車ふねぐるま、乗物の酔、眩暈、気鬱きふさぎ、疲労ひろう、気付きつけ、感冒、息切、咳、痰のつかえ、気管支炎、頭痛、駆風くふう、暑寒中しょかんちゅう、日射病、高山病やまのよい、心臓病、心悸亢進しんきこうしん、心臓補強しんぞうほきょう、強壮きょうそう、発声過度こえのつかいすぎ、声の嗄れ こえのかれ、咽頭炎のどのいたみ、身体違和感、口内炎、歯痛はのいたみ、牛馬家畜諸種の疾患うしうまかちくいろいろのびょうき、伝染病予防、其他急病そのほかきゅうびょう

見た目は昔ながらの仁丹で、10-20粒を白湯で噛まずにそのまま服用する。

急性の場合は30-60粒。

病状重い場合はさらに増量。

激しい食中毒の際は、此薬特有の毒物排泄作用が止むまで、反覆連続服用。

口内疾患には粉にして塗擦。

咽頭炎の場合は2-3粒を口中の奥へ含み自然に溶かし、患部に薬がゆきわたる様にする。

 

二代目市川団十郎が咳と痰の病を患い、この薬で完治したことをきっかけに団十郎自作自演の『外郎売』が出来上がり1718年、江戸で初演が披露された。

のちに、歌舞伎十八番にもリストアップされている。携帯性と保存性に優れ、江戸時代、東海道の旅人が買い求めた。現代に至っても、その効能が科学的に証明されていないらしいが、この長い歴史が証明していると言えるかもしれない。

なお、お菓子のういろうも、ここでお茶受けとして発明されたお菓子とのこと。

今は数種類あるが、当時は黒砂糖で作られていたそうだ。

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薬同様、店内で買い求めることができる。

その後、ふらっと、海まで散歩。

静かな時間が流れていた。

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ういろう本店
住所:神奈川県小田原市本町1-13-17
URL:http://www.uirou.co.jp/
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