南禅寺は日本有数の禅寺であると同時に、古くからの妖怪伝説、明治時代には衰退した京都に琵琶湖からの水路を導通させるために敷地内に水路設備が建設されるなど聖俗入り混じった多様な顔を持つ。
現代に至っては、それがユニークさとレガシーをもたらし京都随一の観光スポットとなっている。
ホテルから数キロジョギングし訪れた朝10時の南禅寺は、平日だったがたくさんの人で溢れていた。
紅葉真っ盛り、次週はもう散っているかなといった絶妙なタイミングだったこともあるかもしれない。
タクシーの運転手さんと会話をしていると、インバウンドの顧客の人気トップ3は、清水寺、金閣寺、伏見稲荷が鉄板で、エリア全体で言えばトップは嵐山と認識している人が多い。
ヨーロッパからの顧客は二条城、龍安寺、大徳寺など特徴のある場所が好みと見立てているようだ。
南禅寺は、アジア系の人たちが多かったかな。
琵琶湖疎水の水路閣はフォトジェニックで、高額なカメラを抱えた人たちがシャッターチャンスに群がっていた。
レンガ造りのレトロな建造物として味わい深いが、近代京都の蘇生に重要な設備で、琵琶湖疎水は当時京都三大事業の一つと言われた。切迫したビジネスプランと聖域としての禅寺との関係性はどう整理されたのか。
紅葉とは別に、そういったことも気になる南禅寺だった。