上品であっさりした京風中華の名店。
祇園の細い路地の奥に店を構え66年目(1951年創業)、二代目が腕をふるう。
池上正太郎、伴淳三郎、市川雷蔵、藤村志保、山田五十鈴、嵯峨美智子、辰巳柳太郎、尾上松緑、片岡千恵蔵など数多くの著名人が贔屓にしてきた。
私の横に座っていた客は、やしきたかじんも気に入って通っていたと話していた。
私たちは酢豚、炸麺(あんかけ焼きそば)、春巻きなどをオーダー。
評判通りどれも上品で、軽く、美味しい。
この店は早瀬圭一氏の著書「奇人変人料理人列伝」でも取り上げられ、池上正太郎が残した文章なども紹介されている。
そう言えば池上は昭和56年正月から二年間「小説新潮」に連載した「むかしの味」の中で「盛京亭」をこう書いている。
「祇園の北側、四条通りから路地を入った突き当りの小さな店「盛京亭」へ、今年になってから久しぶりで立ち寄ったら、せまい店内がきれいに改造されて、相変わらず活きのよい中華料理を食べさせてくれた。
この店は戦後に出来たのだが、二十五、六年前に、はじめて、ぶらりと入ったとき、祇園の芸妓が「おちょぼ」を連れ、炒飯を食べていた。おちょぼは祇園花街の小女で、芸妓の世話から使い走りなど、一日をはたらきぬく。これが成長して芸妓になったり、仲居になったりする。
このような場所柄、盛京亭の中華料理は、いかにも日本人の舌に似合う味だ。八宝絲と称する冷前菜、春巻、酢豚、やきそば、炒飯など、何を食べても旨い。目の前の調理場で、手際よくつくられる料理を、板前ですぐに食べる。
むかしにくらべて、いまのほうが味がすぐれてきて、だれを連れて行っても旨いという。
「祇園の北側、四条通りから路地を入った突き当りの小さな店「盛京亭」へ、今年になってから久しぶりで立ち寄ったら、せまい店内がきれいに改造されて、相変わらず活きのよい中華料理を食べさせてくれた。
この店は戦後に出来たのだが、二十五、六年前に、はじめて、ぶらりと入ったとき、祇園の芸妓が「おちょぼ」を連れ、炒飯を食べていた。おちょぼは祇園花街の小女で、芸妓の世話から使い走りなど、一日をはたらきぬく。これが成長して芸妓になったり、仲居になったりする。
このような場所柄、盛京亭の中華料理は、いかにも日本人の舌に似合う味だ。八宝絲と称する冷前菜、春巻、酢豚、やきそば、炒飯など、何を食べても旨い。目の前の調理場で、手際よくつくられる料理を、板前ですぐに食べる。
むかしにくらべて、いまのほうが味がすぐれてきて、だれを連れて行っても旨いという。
名物の八宝絲は終わってしまったとのことで諦めた。次回は是非チャレンジしたい。
盛京亭(Seikintei)
住所:京都府京都市東山区祇園町北側263
住所:京都府京都市東山区祇園町北側263