エストニアには十字軍遠征によるカトリックの強制、ルターの宗教改革によるプロテスタント化、ロシア帝国の占領によるロシア正教の流入など、キリスト教各派が入れ替わり立ち替わり幅を利かせようと躍起になってきた歴史がある。
一方で21世紀の現在、エストニアで最も支持されているのはMaausk、英語でいうAnimismだ。
かつて中東や西アジアを中心に続々と一神教が発明され、以降世界各地で一神教化が進んだ。
それにより一神教以前の自然崇拝が廃れた場所もあれば、大事にし続けてきた場所もある。
ある宗教的多様性に関する調査結果では、無宗教者の割合が最も高い国のトップ5にエストニアと日本がランクインしているが、エストニアのMaausk、日本の八百万の神の文化のことを考えると、一神教を信仰していない状態を無宗教とマーキングしたとも受け止められる。タリンの旧市街では教会などキリスト教の影響を感じさせる一方で、少し外れた静かな場所で木々の姿や地を覆う雪など自然の産物を眺めてみると何となく’Maausk’的な気分になってくる。
田舎に行けばもっとそういう雰囲気を感じられるのだろう。