旧市街の中心から少し歩いたところにある人気レストラン、 Leib Resto Ja Aed。
タリン最後の夜はここで夕食をとることにした。
小さな入口から階段を少しのぼると広々とした空間が広がる。
中庭を左奥に進むと店があり、夏なら中庭はテラスになるらしく気持ち良さそうだ。
店に入るとカウンターがあり、その奥にオーセンティックなテーブル席のスペースが見える。
予約している旨を伝えると、地下の部屋に通された。
地下の部屋といっても、もともと店が道路から階段を上がったところにあるので、道路沿いのの歩行者が良く見える高さにある。
スペインのスパークリングワインLaxarelを飲みながら、食事はアラカルトで何品か注文することに。
スターターはキュウリのソースが印象的な一皿、Spicy Baltic sprat from Saaremaa with green onion and cucumber sauce。薄切りにしたセロリ、玉ねぎ、細かく砕いたゆで卵、クリームソース、ダイス状にカットされた黒パン、しょっぱくトロっとした塩辛のような魚などが盛られており、食べる直前にホースラヂッシュを削ってくれる。
全体的に味付けは薄めだが、全体を少し和えながら食べると、しょっぱくトロっとした塩辛のような魚がアクセントになりバランスが取れてくる。
次の料理はWarm Jerusalem artichoke salad with hazelnuts and herb sauce。これも不思議な味付け。
上の方に盛られている食材はかなり酸っぱいアーティチョークのマリネにヘーゼルナッツなどハードな印象の一方、下の方の食材は柔らかいラタテューユとハーブクリームのソフトな印象、これを全部混ぜながら食べる。
そうすると全く違う味に生まれ変わるのが面白い。
もともと全部混ぜた完成形から逆算して作っているのだろう。
かなりボリュームもあり満足度も高い。
デザートはDried egg york with wild cherry cream and yogurt sorbet。これもベリーソースとヨーグルトソルベだけだったら普通の一皿だが、乾燥させた卵黄が大量にグレーズされており、独特な一皿に仕上がっている。
乾燥させた卵に黄身は塩っけがあり、ベリーやソルベの甘みとのマッチングが面白い。
ここまで食べきって1時間20分くらいだったが、地下にいた私以外の客は全員精算し店を後にしていた。
Restaurant16でもLeibでも感じたことだが、ちゃんとしたレストランに来たからといって、店員のおすすめでオーダーしている人は非常に少なく感じた。
例えば、レストランに開店直後席を予約したら、コースかアラカルトで幾つか料理を頼むものかと思うが、2人でスープひとつとお茶をひとつとか、メイン一皿と水とか、そんなオーダーをしている人ばかりだったような気がする。
席で食べるのは一品で、作ってもらった料理を持ち帰る人もいた。
自由気ままさが許されているのか、寒いので夜遅くまで時間をかけて食事をしないのか、よくわからなかったが文化の違いが新鮮に映ったタリンの夜だった。