ここ数年、アジア各国の音楽が面白い。
AECの発足に代表されるようにレベルの差はあるものの各国の経済力が上向いている。
世界中の情報にオンラインでアクセスする環境も急ピッチで整備されている。
世界中の音楽をフラットに聴けるし、音楽制作に使うコンピュータを普通に買える時代になった。
どの国の英語力も日本より高いし、若いミュージシャンは苦労することなく、どんどん世界と交信していくことになるのだろう。
この8月、私イチオシのタイのバンド、GYM AND SWIMがデビューアルバム’SEA SICK’をリリースした。
GYM AND SWIM / SEA SICK (Parinam Music)
BrutusでインドネシアのバンドIKKUBARUが紹介されたこともあって比較対象になるかもしれない。
でも、同列で語れないユニークさがこのバンドにはあると思う。
IKKUBARUは日本のシティポップからの影響を受け、楽曲もオシャレ。
GYM AND SWIMの音は、もっと様々な要素がミックスされている感じ。
チープな音色のシンセサイザー、南国を感じる独特なギターピッキングやラナートのシーケンス、タイのバンド特有の柔かい質感のメロディーとヴォーカルワーク。これらがバランスよく重なり合い、人懐っこさのある独特なバンドサウンドに仕上がっている。
80’s New Waveのようなリバーブ感、音の隙間感も印象的だ。
2年前から注目してきたが、これまで作品のリリースはとてもスローペースだった。
でも、時間をかけた分、素晴らしいアルバムに仕上がったと思う。