かつて坂本龍一がAntonio Carlos Jobimの家で、Jobimのピアノを使い、Morelenbaum夫妻とJobimの曲を録音したCasaというアルバムがあった。
細かいことは忘れてしまったが、当時坂本龍一がJobimのピアノを一人で弾いていた時に、Jobimの奥さんから夫の音楽と似ているといったようなことを言われたと、どこかの記事で読んだ記憶がある。
坂本龍一は中学生の時に自分はDebussyの生まれ変わりと信じていた程Debussyの影響を受けているが、Jobimもまたフランス印象派の影響を受けており、Jobimの奥さんが感じたように二人は同じ系譜図に属しているのだろう。
そして、シンガポールの音楽家Sonicbratも、そのラインから派生した音楽性を持っているように感じられる。
Debussyの影響というより、坂本龍一のDebussy的側面の影響というか。
Casaと同じように、オーガニックで美しいピアノやチェロの旋律や環境音からなる音像を、常夏のシンガポールでパッキング。
ブラジルでJobimが音楽によって人々を涼ませたように、暑気を忘れる心地よい音楽だ。