静岡駅から10分ちょっとローカル線に揺られ焼津駅へ。
目当てのお店は松乃寿司。
予約して17時に訪問すると、18時過ぎあたりからどんどん客が増え、あっという間に満員になった。
駅から少し距離があるが、近隣の人たちから愛される格のある店だ。
お通しは、旬の生しらす。
これが絶品、プリっとした舌触りで、苦味がなく甘みを感じるほどだ。
はじめの一杯はビールを頼んだが、早速日本酒への切り替えが決定。
松乃寿司は地元の銘酒「磯自慢」の酒蔵に専用タンクを置いて、松乃寿司専用の特別本醸造を造ってもらっているという。
この話は、静岡駅前のLa Sommeliereというワインと日本酒のお店で、カウンターで隣になった方から教えてもらった。
La Sommeliereはミシュランで星を獲った銀座小十の他にパリに出店するなど、和食の世界で名を馳せる奥田氏の妹さんとお母さんが営んでいるお店。
地元静岡で奥田氏は超有名人のようで、松乃寿司の板前さんが店の奥から彼の著書を持ってきてくれた。
しばし、大将や板前さんと奥田氏の話で盛り上がる。
松乃寿司オリジナルの磯自慢はフルーティー感があり軽やかで、白身の魚や寿司によくマッチする味わい。
4合も飲んでしまった。
続いて刺身の盛り合わせ。
ジンドウイカ、メイゴ、マグロ赤身、鯛、セグロイワシの五点盛りにしてもらう。
メイゴ、赤身などどれも美味しかったが、特に気に入ったのはセグロイワシの酢〆。
これだけで松乃寿司オリジナル磯自慢を延々飲み続けたいくらいだった。
そういうわけで、握りの一品目は、生のセグロイワシと酢〆の食べ比べを注文。
生のほうは生姜醤油で、酢〆とは違ったパンチのある味だ。
酢〆のほうは、深みのある本当に癖になる逸品。
そのあとサヨリ、ジンドウイカ、メイゴ、金目鯛などもいただく。
サヨリ、ジンドウイカはネタとシャリの間に海苔がサンドしてあって風味が良い。
ちょっと海苔が挟まっているだけなのだが、とても効果的な使い方だと思った。
続いてこの店の名物「テッポウ」。
驚くほど柔らかく茹でられたジンドウイカの中に、脂がのった鮪のすきみ、葱、紫蘇、海苔、シャリを混ぜて詰めたもの。
ジンドウイカのサイズは12-3cmくらいか、思ったより小ぶりだったが、これが最高に美味かった。
これと、セグロイワシの酢〆と、磯自慢だけのために焼津に来ても後悔しないだろう。