国家主導の都市計画に基づき整備が進められた都市国家シンガポール。
そのため都市の中で全てが完結し、サバービアという概念はなかった。
淡路島の大きさに500万人が押し込まれているのである意味当然だが、擬似的にそうした空間を形成し、都市生活者の新たなライフスタイルを創出する、スローライフと高感度スポットのニーズに応えていく、これを成功させたのがDempsey Hillエリアだ。
Marinaエリアからタクシーで10S$程度の距離しかないが、周囲は緑に溢れ、低層建築物の間合いはゆったりで、まさに都市生活者のオアシスという雰囲気。
このDempsey Hillの入口にあたる17ブロックと18ブロックの入札が2015年に行われCOMO Lifestyleが落札、この1年半でリノベーションを推進し、次々と新しい店舗をオープンさせて話題を集めている。
ミシュランのスターホルダーでModern Peranakan を提供する「Candlenut」、大阪で1850年に創業し銀座にも店を構える天ぷらの老舗「Ippoh Tempura Bar by Ginza Ippoh」、N.Yや東京でにもレストランを構えるミシュラン三つ星シェフJean-Georges Vongerichtenによる「THE DEMPSEY COOKHOUSE & BAR」、グルメフードブティックの「COMO Marketplace」。
そして、2017年7月には4つ目のレストラン「COMO Cuisine」、Comme Des Garconsが手がける「Dover Street Market Singapore」がオープン。
COMO Cuisineはスターシェフを全面に出すスタイルは取らず、世界中のCOMO Hotels and Resortsの特選メニューを提供するのが売りだ。
予約をしておらず、スタッフに尋ねると5分でテーブルが用意できるとのことで、COMO Marketplaceで時間を潰すことにした。
グルメフードブティックというだけあり、店の審美眼に興味が惹かれる。
日本の調味料も多々ある中、ブータンの蜂蜜、シンガポールの国民食Kayaジャム、インドネシアのRendangペーストなど、東南アジア、西アジアの食材も多い。
冷やかすだけのつもりが、結局幾つか買い物をしてしまった。
日本酒の取り揃えもあるが、日本以外の場所だから高いのか、酒が全般的に高額なシンガポールだから高いのかわからなかったが、残草蓬莱の4号瓶が80S$近い値段だったのは驚き。
「COMO Marketplace」のすぐ奥が「Ippoh Tempura Bar by Ginza Ippoh」、横に「THE DEMPSEY COOKHOUSE & BAR」と「Candlenut」。
「Candlenut」と「Ippoh Tempura Bar by Ginza Ippoh」は店外から雰囲気を伺うことはできないが、「THE DEMPSEY COOKHOUSE & BAR」は写真のとおり壁やドアのない風通しのよいレストラン。
時間があればこれらの店でも食事をしてみたいと思わせる素敵な雰囲気だった。
住所:Block 17 Dempsey Road, Singapore
URL:http://comodempsey.sg/shopping/como-marketplace