タリン到着後、初の本格的エストニア料理をいただきにRataskaevu 16へ。宿のあるRotermann Cityから旧市街へ移動する時間は僅かで、Google Mapsがあればすぐに到着する。
短い距離だが、極度に寒さに弱いiPhoneは冬の北欧で持ち耐えられるはずがないので、バッテリーを携帯して突然のシャットダウンに備えるようにした。
私の経験だと、20%まで減ったら一気に1%迄急下降しシャットダウンすることが多いだろうか。
iPhoneを取り出してGoogle Mapsを調べている時や屋外で写真を撮っている時、必ずこの状況に見舞われる。
しばらく歩いて予約時間に到着すると、すでに数名外で並んでいたが、そこをかき分け店内に入った。
開放的な1Fとは別に落ち着いた雰囲気の中二階があり、そちらのテーブルを案内してもらう。フレンドリーながら丁寧で感じの良いスタッフと会話をしながら注文を決める。
スターターはOven baked goat cheese、7.4€。パプリカやズッキーニなどratatouille風に柔らかく煮込まれた温野菜の上に、オーブンで温められたヤギのチーズ。
その上にルッコラやニラに似た香りのするハーブなどがトッピングされ、白いソースがかかっている。
皿にはベリーソースがデコレートされており、各々の味を重ね合わせて食べると、バランスの良いテイストになってくる。
一緒に頼んだのはエストニア名物のシードルだ。セミドライのMullをオーダー。5€くらいだったか。
ベリーソースの酸味とよくマッチした。
そしてこの店で特筆すべきは、サービスでサーブされるbrown bread。これまで食べてきた経験から、固めでポソポソした感じを想像していたが、意表を突かれる程のふっくらモチモチ感。
全部食べてしまいたい程美味しかったが、このあとスープとメインが来るので、満腹にならないようセーブした。
続いてCreamy smoked eel soup、5.9€。さらさらしたクリームスープの中、小ぶりにカットされた鰻の燻製と、柔らかく煮込まれたネギなどの野菜が入っている。
スープ自体は薄味で、燻製の香りと素材の味で食べさせるアッサリした一皿。
鰻は燻製ながらふっくら柔らかく、舌で押しつぶして食べられる程だった。
メインはBraised elk roast、17.9€。ローストしたヘラ鹿を蒸し煮にしたもの。
柔らかく手入れされた厚さ1.5cmのエルクが2枚、カリフラワーソースとparsnipなどの野菜の上に鎮座し、コクと甘みのある黒すぐり(blackcurrant)ソースとフレッシュオレガノなどのハーブが頂上を飾る。
ボリューム満点の一皿だったが思いのほかクセがなく、野菜やハーブと一緒に飽きなく食べることができた。
写真手前のオレンジ色の木ノ実、枸杞の実を少し大きくしたくらいの大きさだが、この酸っぱさがアクセントに。
イタリア産のPinot Noirのグラスとともにいただいた。
料理が美味しいのはもちろんだが、店員さん達の気持ちのよい接客が印象的。
楽しく会話しながら、ゆったり落ち着ける店だ。