マカオには30の世界遺産があり、その中にはある一瞬の記憶ではなくマカオの歴史の流れそのものを伝えるものもある。
その中の一つがFortaleza do Monte、モンテの砦だ。
17世紀初頭にJesuitsが建設した軍事要塞で、海賊やオランダを撃退するための大砲が置かれた。
JesuitsとはCatholicのSociety of Jesus(イエズス会)の修道士のこと。
つまり、宗教家達が建築した軍事施設だった。
陸地で広東省とつながる北側以外には大砲が配置され、南側に向けられた大砲は1622年にオランダを撃退するために使用されたという。
湾までの距離は2.5km、現在はその方角にHotel Lisboaがあるので直接海を臨むことはできない。その後は軍事機能以外にも総督の住居や警察の拠点としても利用され、戦後は気象台や博物館に転用、現在は世界遺産に登録されている。
海抜52mの高台にあるので坂を歩いて登り続けるのだが、思った程のsevereさは無くちょうどいい運動になった。
観光客が大勢いる一方でデート中のカップル、路上ライブの二人組、縄跳びをしてるおばさんなどもいて、ローカルの憩いの場にもなっているようだ。
ちなみに、もう少し中国国境寄りの場所にMong-Ha Fort「モンハの砦」という史跡があるが、これは「モンテの砦」とは全くの別物。
「モンテの砦」は中国に大砲を向けない要塞だったが、「モンハの砦」は19世紀に中国からの攻撃に備え大砲を設置した場所だった。
300年経てば力学関係も変わる。
諸行無常とはこのことだ。
Fortaleza do Monte (大炮台)
住所:Fortaleza do Monte, Macau (澳門大炮台)
住所:Fortaleza do Monte, Macau (澳門大炮台)