Bjork Digital pt.1 @ 日本科学未来館 (Miraikan)

2016年はVirtual Reality元年になる。

90年代初頭にインターネットの商業化が始まりWindows95で普及したように、2016年を境に加速度的にコンテンツやデバイスが整備され、2020年には8兆円規模の産業になるとの試算もある。

このdigital disruptiveな技術を自身の作品に取り込むために、BjorkはMITメディアラボやHTCなどとチームを組み、製作を進めてきた。

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今回のBjork Digitalはその中間報告会のようなものだろう。

テクノロジーと人間的な感情の融合、リスナーとの距離感の捨象に向けたトライアルのように感じた。

かつてAll is full of love(Chris Cunningham監督)のPVでは、roboticsへの人間的感情の注入が映像作品として描かれたが、それはオーディエンスが鑑賞するために作られていた。

今回は、ヘッドマウントディスプレイを使うことで、テクノロジーと人間的な感情の融合をオーディエンスは直接体験する。

次のアルバムが、この路線をさらに推し進めた何かになるなら楽しみだ。

1.VR作品

(1)Stone milker VR (by Andrew Thomas Huang)

HMD:Samsung Gear VR

被写体との親密な距離感、冬の海辺に二人だけいる感覚、そして別離を感じさせる歌詞。

何となく、アラーキーの’センチメンタルな旅・冬の旅’を思い出した。

スッと感情移入してしまう、VRの可能性を体感した。

(2)Mouth mantra VR (by Jesse Kanda)

HMD:Samsung Gear VR

体験前に係の人から、’気分が悪くなったらいってください’と言われたので、多少身構えた。

VRの医療分野での利用の仕方はいろいろあると思うが、これも一案ではないだろうか。

(3)Not Get VR (by Warren du Prees & Nick Thornton Jones)

HMD:HTC Vive

Samsung Gear VRでは固定位置から360度動画を体験できたが、HTC Viveでは位置を移動しながら体験できる。

また、Stone milkerやMouth mantraのコンテンツはbjorkの実写で構成されていたが、Not GetはCGなので、より自由度の高いVR体験が可能となっていた。

Bjorkの体の中を通り抜けることができ、不思議な感覚を覚えた。

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6-7月の東京では製作途中で、最後の開催地となる9月のロンドンでは完成版が体験できる予定とのこと。

日本科学未来館 (Miraikan)
住所:東京都江東区青海2-3-6
URL:https://www.miraikan.jst.go.jp
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