フィリピンは歴史的、地理的に中国、イスラム、スペイン、スペインの植民地だったメキシコ、アメリカなど様々な国、文化の影響を受けてきた。
それらを通し独自のカカオ文化を形成し、チョコレート粥「Champorado(チャンポラード)」などユニークなものも生まれた。
もともとはメキシコの、とうもろこしなどの穀類の粉で作るホットチョコレート「Champurrado」が、スペイン統治時代に流入して、自国のカカオ文化と米文化で置き換え誕生したものではなかろうか。
このように古くからカカオ文化のあるフィリピンではあるが、現在、世界のカカオ生産はアフリカと南米が殆どを占め、アジアで目立つのはインドネシア位で、フィリピンの生産量は極めて少ない。
そんな中で、様々な物議を醸し出しているドゥテルテ大統領がかつて市長を勤めたミンダナオ島(Mindanao)のダバオ(Davao)市でカカオの生産が復活しつつある。チョコレートのコンクールでもダバオ産のチョコレートが賞を獲得したり、輸出も進み始めた。
日本では富ヶ谷にあるBean to Barのチョコレート店Minimalが、ダバオのスバスタ(Subasta)エリアで、同じ日に収穫されたカカオ豆に対して異なる5種類の発酵を施した食べ比べチョコレートセットを手がけている。
同じインプットデータに対して異なる5種類のプログラムを通し、アウトプットの違いを見るという面白い試みだ。
だいぶ前に買ったものだが、冷蔵庫の奥からでてきたので食べ比べてみた。
Nutty系が1種類、Fruity系が4種類、一袋ずつ密閉されている。
このFruity系4種(Vegetal、Tropical、Citric、Berry Like)の違いが面白い。
特にTropicalの南国感は独特で、発酵方法だけでこれだけの違いが出るものかと感心した。
最近はインドネシアのパプア(Papua)産のカカオ豆で同様の試みを行なっているようだ。
また食べ比べてみたい。