2006年、おそらく日本初のブータン料理店としてオープンした「ガテモタブン」。
「ガテモ」はゾンカ語で「ここはどこ?」の意味らしく、まさか東京でブータン料理の専門店がオープンするとは、という意外性をそのまま店名にしてしまったようなものだろう。
できた当初から話題を集め、近所に住んでいた私も開店当初に何度か訪れたが、店のオペレーションや店員の接客があまり小慣れておらず、しばらしくしたらまた来ようと思って以来10年が過ぎた。
ブータンはかつてはチベット(ダライラマ政権からも!)やイギリスの侵攻を受けつつ、20世紀に入って独立国家として歩み始め、近年では国民総幸福量(GNH=Gross National Happiness)を国家のKPIとして運営し、お金ではなく国民の幸福感を追求するユニークさから注目されている国だ。
実際は失業率も高いし、欧米文化が徐々に取り込まれ、国民の幸福感は時代と共にどう変化しているのか、一度訪れて確かめたいと思っている。
料理の面ではインドの北、中国の南に挟まれた山岳地帯という土地柄か、ほし肉、チーズなど保存性の高いものや、唐辛子など多様した料理が独特で、このお店でもこうした素材がメニューに取り込まれている。
先日ランチで久々に訪れた際は、わりと食べやすいメニューがお手頃な値段で何種類か用意されていたので、その中から選んでオーダー。
Shame Datchi (シャムダツィ)ランチ
キノコ、唐辛子、チーズを煮込んだ料理で、辛さはあまりない。
クリームチーズシチューといった感じのポタっとした料理で、ご飯とよくあう。
量はやや少なめだが、女性にはちょうど良い位の分量か。
セットで出されるレンズ豆とスパイスのスープも非常に美味しかった。
10年経って、店員さんの人数も増え、接客の気持ちの良い店に変わっていた。
ランチタイムはランチセットのみで、複数のおかずや絶品のMomoをオーダーしたければ、是非夜に訪れてみよう。