福岡に到着したのが23時過ぎだったので、天神の宿に荷物を置くと急いで開いている店を探しに出かけた。
到着時間が読めなかったので全く予約もしていない中だったが、「軽く日本酒を飲んでから〆は麺類で」。
ひとまず飲み屋ホッピングの計画を立てる。
まずは日本酒が飲める場所を探すが、いい感じの店がありそうでなかなか無い。
人が出てくる小さい路地を探して、そちらの奥を探索することにした。
よい感じのお店が何軒が入っているビルを見つけると、奥のほうに「La Maison de la Nature Goh」の看板が。
バンコクを代表する分子料理の店で、ベストレストランのランキング常連「Gaggan」とコラボをしていることで知っていた店だが、こんな時間に偶然発見することに。
バンコクに行った際「Gaggan」には必ず予約を入れるのだが、現地の後輩が最近足を運んだ際は、2020年にクローズして福岡に店を出すと言っていたらしい。
この西中洲の路地裏あたりに出すのだろうかと想像すると面白い。
そのビルの看板を見ると、さらに見たことのあるネオンが。
酒坊主@富ヶ谷の店主のInstagramで見憶えのある、日本酒バーの看板だった。
面白そうなので階段を上がると、閉じたドアの横にインターホンがある。
会員制的な雰囲気に少し気が引けたが、インターホン越しに話すと和装の女将が迎い入れてくれた。
シックな雰囲気で、照明も必要最低限。
この日本酒バーの店名は「ネッスンドルマ(Nessun dorma)」。
プッチーニの歌劇「トゥーランドット(Turandot)」のアリアからとられたイタリア語だ。
お店の人と好みを相談して、この日のおすすめ、佐賀・富久千代酒造の「鍋島NewMoon」をオーダー。
かなり空腹だったのだが、ガッツリ系のメニューはなさそうで、おつまみのべっこう卵を注文した。
卵黄の醤油漬で、ねっとりした食感と濃厚な旨味が、日本酒に良くあう。
次第に帰路につく客が増え、店員さんたちも手が空いてきたようだったので、話しながら過ごす。
入店前に感じた敷居の高そうな印象が嘘のように、気さくな方ばかりだった。
続いて、飲み比べセットの日本酒を選んでもらった。
滋賀・畑酒造 「大治郎よび酒 純米うすにごり生酒」、秋田醸造「ゆきの美人 純米吟醸」、真っ白いラベルが印象的な山形・亀の井酒造「くどき上手 八反三十五44 純米大吟醸」の3つ。
飲み比べセットにはべっこう卵が付いてくるとのことで、結局一晩で2つも食べてしまった。
店の落ち着いた雰囲気、楽しい会話、厳選された日本酒で楽しい時間を過ごした後、女将に見送られ、〆の麺類を探しに店を出る。
吟醸酒肆 ネッスンドルマ
福岡県福岡市中央区西中洲2-26 2F
http://nessundorma.jp