タイのCyndi Seui、インドネシアのikkubaruらと同期するようにアーバンメロウなシティポップが台湾から到着。
台北で立ち寄ったcozyなレコードショップ Waiting Roomでリコメンドを受けたSunset Rollercoasterの新譜。
アルバムタイトルのCassa Novaはイタリアの漁色家 Casanova を彷彿させる反面、漢字タイトルは「半熟王子」。
何となく岡村靖幸的かつ滝沢カレン的なユニークさを感じるが、自我を問う台北の青年の心象風景を追ったコンセプトアルバムの音像は王道のシティポップで、バンド初期のfolkyかつgrungyなスタイルから、長い旅を経て全く異なる地平に辿り着いた感がある。
シーンをリードするバンドが転換期を迎えること、それが賛否両論あるというのは歴史の常だが、まさにその瞬間の立ち会っていることを感じさせる。
私から言わせれば、むしろこうしたスタイルの方がフィットしているのでは、とさえ思わせるハマり具合の傑作。
2018年度前半の愛聴盤となった。