代々木上原駅から上原銀座商店街の坂を上がれば、井の頭通りとクロスする上原三丁目交差点に出る。
ここでもう15年近く店を構える蕎麦屋山都は洗練されたインテリア、美味しい料理で有名で、多く客が集い賑わう。
酒の品揃えが良く料理も蕎麦も美味しい店なので夜に訪れるもよし、蕎麦メインでランチを楽しむもよし、使い勝手の良い店だ。
この日は休日のランチに二人で訪問、既にに何組か待っていたが程なく入店できた。
大きなせいろを皆でシェアする家族連れ、料理と酒を楽しむ年配のカップル、海外からの訪問客などで満席の店内は活気と落ち着きがあり、居心地が良い。
この日は、この店オリジナルの中華蕎麦と黒カレー蕎麦を注文。
中華蕎麦は基本的には普通の温かい蕎麦をベースにしながらも、焦がしネギ油とチャーシューやメンマ等の具材で中華蕎麦にトランスフォームさせた変わり蕎麦。器もラーメンどんぶりだからか、視覚的には完全にラーメンなので脳が錯覚するのか、中華蕎麦として全く違和感がないのだが、麺の歯ごたえや風味は十割蕎麦の風味。
普通はここでミスマッチ感が出るのだろうが、全体として優しく洗練された味なので、自然な感覚で食べ進めることができる。
もう一つは黒カレー蕎麦。黒カレーはこの店の看板メニューの一つなのだが、公式ブログには親切にも作り方のヒントが公開されている。
黒カレーを作るために経るプロセスは大きく二つあるようだ。
分量は明示されていないが、材料は玉葱、人参、にんにく、ラード、りんごだけで、これを形がなくなるまで炒めるという。
もう一つは、カレー粉を黒くなるまで炒めるプロセス。
黒くなったカレー粉と形がなくなるまで炒めた材料を合わせたら準備は完了。
これを蕎麦のかけ汁とあわせ、肉ネギなどの具材が入ると、黒カレー蕎麦の汁になるようだ。
カレー粉を構成するスパイスの構成は不明だが、スパイシーさを感じさせながらも、出汁自体の優しさで食べることのできる絶妙なバランス。
他では食べることのできない独創性の高い一品と言えるだろう。
黒カレーのメニューではつけ麺やしゃぶしゃぶもあるので、これらも試してみたい。