台北の夜は遅く、朝は早い。
夜市で遅くまで見かける客は若い人、早朝から営業している店の客は年配の人が多い印象かなぁ。実際のところはどうなんだろうか。
宿泊していた民権西路駅に程近いホテルから、台1甲線を南に向かって民生西路を西にちょっと歩いたところに、朝6時台から営業している雑炊食堂「雙連街肉粥」がある。
粥というとトロトロに米が溶けた状態のものが思い浮かぶが、実際は米の形を舌の上で感じて食べられる雑炊といった感じだ。
店内の看板にも「ぞうすい」と日本語で書いてあるし、日本語を話す年配の店員さんもいる。
注文に迷っていると、日本人だと察したのか、日本語で優しくメニューを解説してくれた。
雑炊はホッとする味で、大根、青菜、細かくカットした肉が少々、牡蠣が具材となっており、味付けは最小限に抑えられている。一緒に注文した紅焼肉は、紅麹に漬けた豚肉のフライ。紅麹ベースのタレに付けながらいただく。
量としては然程多くはないが、外はカリッと、肉はびっくりする程ジューシーで、あっさりした雑炊のおかずとしてちょうどいい。
付け合わせのきゅうりは酢漬けは爽やかそのもの。
まさにビールのつまみに最高の一皿だと思ったが、アルコールは用意されていないようだ(朝から昼までの営業)。
店というよりも巨大な屋台といった風情のため、ドアを締め切ってクーラーを効かせて、といった建て付けにはなっておらず暑さ凌ぎは扇風機。
しかしながらこの扇風機からの風が思いの外涼しく、かえって心地良いくらい。
何となく子供の頃の感覚、昔の日本の風情を思い起こす感覚、懐かしさのようなものが蘇るようだった。