新橋の老舗 カフェテラスポンヌフ

IMG_5946新橋の地名は、今では殆ど埋め立てられた汐留川に架かる新しい橋、「新橋」に由来する。

また、明治初期には横浜間を結ぶ日本初の鉄道の駅が設置される等、新しいものを象徴する街として発展してきた。

一方で、汐留川の埋め立てにより橋は廃止され、鉄道の駅はターミナル機能を東京駅に引き継ぎ、元々の駅のあった場所は貨物用の駅として再利用された後に売却される等、時代の変化と共に新陳代謝を続けてきたのも、この街のDNAだ。

戦後の闇市跡地に建設されたニュー新橋ビルや新橋駅前ビルも、闇市解体というよりも闇市の発展的3D化の雰囲気があり、新しいものの中に過去が繋がって垣間見えるところが面白い。

2019年現在は、汐留や虎ノ門、あるいは新宿や渋谷のように再開発プロジェクトが浮上し、これらの古いビルは解体される予定にあるというが、これからどんな変化、新陳代謝があるのか楽しみだ。IMG_5954そんなターニングポイントにある新橋駅前ビルには、堂々と「新橋」を店名に冠し50年以上営業してきた人気の喫茶店、ポンヌフがある。

ポンヌフはフランス語でPont Neufと書き、Pontは橋、Neufは新しいの意、つまり「新橋」という店名になる。店名がフランス語で、看板の配色もフランス国旗を意識しているので料理もフランス風と思いきや、完全なる日本ならではの洋食だ。

1967年創業からの歴史を支えてきたのはナポリタンやハンバーグ中心の少数精鋭メニューで、何も完成度は高い。

ランチ時間帯の店内は満席行列の状態で、調理場からは鉄鍋を返す音、食材を炒める音、何とも言えない美味しい香りが渾然一体となってテーブルまで流れてくる。

この日注文したのはハンバーグスパゲッティのサービスセットで、ドリンクとプリンがついて1150円。

モチモチの麺にトマトケチャップソースが絡むナポリタンは絶妙な美味しさで、粉チーズとの相性が最高だ。

またハンバーグは香ばしい焼き色がついて、粗挽き肉と存在感のある玉ねぎから肉汁が滲む。これも美味。

セットでサーブされるプリンは手作り感に溢れ、ライン生産では出来ないであろう気泡がちらほら感じられるところも愛おしい。IMG_5947カラメルやアイスコーヒーのほろ苦さとよくマッチする。

ボリューム満点、人気も納得の味だった。

カフェテラスポンヌフ
住所:東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館1F
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